春が分かつ

撮った写真、読んだ本、考えたことなど雑多に書き溜めていきたいと思います

ラーメンを食べに行った時の頭の中

バイト先のテレビでラーメン大食いチャレンジが流れているのをみて、ラーメンが食べたくなった。
少し早めに終わるシフトだったので、帰り道乗り換えに使う松戸駅で食べて帰ろうかな。と考えながら電車に乗り、スマホをいじっていたらすぐに松戸。改札を通る時に一瞬迷った。でもやっぱり駅を出て、お気に入りのラーメン屋に。

松戸駅東口をでて少し歩いたところにある、「雷」というお店。

 

店内は22時半なのに賑わっている。食券を買って店員に渡し、案内された席に着く。左にはラーメンを待つサラリーマン。右には黙々とラーメンを啜る同年代の男の子。

真後ろが出入り口なので人が出入りするたびに少し寒い。上着を脱ぐか脱がないか悩んでいると、左のサラリーマンの元にラーメンが来た。受けとるや否やすぐに箸を割り、麺を口に運ぶ。
あれ...なにこのリズム...

サラリーマンは、8ビートのテンポで小刻みに麺を啜る。ズッズッズッズッって音を鳴らし続けている。
それ進むの?啜り進むの?
気になってしょうがない。やきもきしていたら、自分のラーメンが来た。ひと時左の小刻み啜りを忘れ、食べ始める。

いわゆる二郎系ラーメンを、この時間に心置きなく食べられるのは若者の特権かも。歳を取りたくない。

二郎系は野菜がたっぷり乗っているので食べはじめが難しい、2番目に。1番は、最後まで野菜と麺をバランス良く食べ切ること。うまく食べ切れると、最後まで1番美味しく食べてやったぜという謎の達成感がある。

食べ始めの感動を味わっていると、右の男の子が食べ終わり、無愛想な「ご馳走様でした」を言って出て行く。それをきっかけに、また左で鳴っている8ビート啜りが意識に入ってくる。並んで自分は自分のペースで麺を啜る(そりゃそう)。

自分が思ってる普通は、もしかしたら普通じゃないのかもしれない。普通ってなに...?

とくだらないことを考えながら食べていたら、右の空いた席にまた同年代の男の子2人組が座った。多分陰キャ寄りの人。真横を向いて顔を見るわけにはいかないが、喋り方とか横目で見る雰囲気で大体わかる。
おそらくリズムゲームの話を早口にしながらラーメンを待っている。やっぱり。

ふと気づくと左のサラリーマンがいつのまにかビートを刻み終わっていたようで、席を立つ。
これで集中できると思った頃には、自分のラーメンも残りわずか。野菜と麺を完璧なバランスで食べ終わることができた。一息ついてスープを飲んでいると、右隣の青年が、
「今頃あいつらは、温泉旅行かぁ」
と少女マンガの脇役が言いそうなセリフを吐いた。
するとその隣の友人
「ああ、昨日話してた?まあ、どうでもいいけどw」

お前ら2日連続で会ってるのかよ

「お前にとってはどうでもいいだろうけどさ!」
「そりゃお前にとってはどうでもいいだろ!...逆にお前にとって重大なことだったら怖いわ!www」

「いやー、重大かもよ。ww」

なんだそれ、今の会話なんも面白くないだろ。
他人の会話なんて大抵クソつまらなく感じる。自分も例外じゃないのはわかっている。

ラーメンを食べ終わった後にスープを飲み始めると止まらないから気をつけないといけない。いい加減口の中が塩辛くなったり脂っこくなって、そろそろ終わろうかと水を飲むと、口の中がさっぱりしてまたスープが飲みたくなる。無限ループ。ループはコップに残る水の分までにしようと決めるといいよ。
スープを少し名残惜しく感じながら、身支度をして席を立つ。右では相変わらずつまらん会話をしながらラーメンを食べている。

店員さんに挨拶をして外に出ると、せっかく暖まった体がすぐに冷めるほど風が冷たい。満腹感に満足して、足早に駅に戻る。しょうもないこと考えながら食べちゃったなと少し後悔するけれど、いつものこと。